2002年6月23日
第43回宝塚記念
この馬で栄冠を。

94年9月。1頭の牝馬が、橋口厩舎にこの年2つめの重勝勝利をもたらした。
父に「弾丸シュート」サッカーボーイ、母に名牝エプソムガールのツルマルガールである。

96年11月。1頭の牡馬が、橋口厩舎に菊花賞勝利をもたらした。
父は日本の競馬史を塗り替えたサンデーサイレンス。母はエアダブリン、ダンスパートナーを輩出した名牝ダンシングキィのダンスインザダークである。

時は流れ2000年7月。1頭の牡馬が橋口厩舎から戦場に送り出され、新馬戦勝利を飾った。
父はダンスインザダーク。母はツルマルガール。ツルマルボーイのデビューだ。

ツルマルボーイは辛くも新馬戦には勝利したものの、その後は苦難の道を歩む事となる。
小倉3歳S、デイリー杯3歳S、京都3歳S、中京3歳S(全て旧名)、シンザン記念とそこそこ人気になりながらも敗れ続けた。
ようやく勝星を挙げる事ができたのはなんと約10ヶ月後の矢車賞(500万下)だった。

本格化の兆しを見せ始めたのは3歳の秋から4歳の春にかけてだ。
クリスマスキャロルH(1600万下)で3着すると、飛鳥S(1600万下)も3着に入った。
中距離に対する高い適性を考慮され、次にツルマルボーイが参戦したのはなんと重賞中京記念(G3)である。オープンどころか1600万下でも勝星の無かったツルマルボーイだが、軽い斤量と、対戦相手にも恵まれて、見事重賞初勝利を挙げた。

すぐさま大阪杯(G2)に向かうがここでは残念ながら5着に惨敗。しかし次のメトロポリタンS(OP)ではさすが重賞勝ち馬、レディパステル、タップダンスシチーらを下し、1着で駆け抜けた。

そして再びG2挑戦となった。宝塚記念へのステップレースの意味合いが濃い金鯱賞(G2)だ。
圧倒的1番人気に推されたのは皐月賞と菊花賞の2冠馬エアシャカール。金鯱賞の前にも大阪杯(G2)で2着に入っていたので当然と言えよう。
2番人気にはツルマルボーイ。高い中距離適性とここまでの勢いが評価された格好だ。
以下、トーホウシデン、ロサードと続いた。

レースはアンブラスモアとアサカディフィートが競り合いハイペースの展開。中団やや後方をエアシャカールが進み、そのさらに後ろでツルマルボーイが直線で爆発させる末脚を抑えていた。
4角を過ぎ後方集団が一気に差を詰めてきた。外から早くもエアシャカールが先頭に立ち後続を引き離そうとスパートをかける。しかしそれを許すまじとツルマルボーイが猛然と伸びてきた。
エアシャカールを壮絶な叩き合いの末に捩じ伏せると、グイグイと引き離し1着でゴールした。

2002.6.23 第43回 宝塚記念(G1)

この年の宝塚記念の出走馬には、残念ながらやや物足りない印象を受けた。
ファン投票上位の馬が出走しなかったのが非常に大きく、またG1勝ち馬の出走もエアシャカール1頭のみ。出走頭数も12頭と大変少なかった。

この印象は格理論で考察しても同じように受けた。

G2級はエアシャカールとホットシークレットの2頭のみ。G3級も8頭いるが万全の態勢と呼べそうなものは何頭もいなかった。
中心となると思われるのはエアシャカール。格も高く、近走・距離適性も大阪杯2着、金鯱賞2着があり申し分ない。不安な点を挙げるならば前年5着に敗れている事と、時折見せる斜行癖だろうか。

人気はダンツフレームが集めた。3歳時には皐月賞でアグネスタキオンの2着、東京優駿でジャングルポケットの2着と素質の片鱗を見せつけ、さらに前走、安田記念では卓越したスピードでアドマイヤコジーンの2着に飛び込んだのがファンには評価された。
2番人気には、エアシャカール。前述した通り十分な能力と実績から見れば当然であろう。
3番人気にはローエングリンだ。重賞勝ちこそ無いものの、53キロという斤量と高い素質が認められていた。
ツルマルボーイはこの3頭に続く4番人気だ。

ゲートが開くと最内枠の利もありローエングリンがすんなりと先頭に立ち、マイペースで逃げ始める。外からスルスルとトウカイポイントが上がってきてその後ろにつけた。
エアシャカールとダンツフレームがこの2頭の後ろで折り合いをつけている。
前半5ハロンの時計が60.0秒という先行勢にとって絶好の展開の中、ツルマルボーイはもはや定位置となった最後方をフサイチランハートと進んでいた。

3角を過ぎると後方の馬も上がってきて馬群もギュッと濃縮されるように固まった。
直線に向くと逃げていたローエングリンが横山典弘騎手の鞭に応えグングン加速し、後続を引き離す。
これを逃がすかとエアシャカールとマチカネキンノホシが追い縋る。大外からはツルマルボーイが、前方の馬をまとめて差し切ろうと豪快な末脚で伸びてきた。
しかしその内からツルマルボーイより僅かに遅れて追い出したダンツフレームが抜け出した。
ゴールに向けてダンツフレームに鞭が飛ぶ!ツルマルボーイも懸命に追い縋る!
ツルマルボーイは出走馬中最速の上がりで追い込んだが、一瞬の切れ味の差で生まれた空間は残念ながら最後まで埋まる事が無かった。
ツルマルボーイはダンツフレームより首差遅れて2着でゴールした。

レースの後、橋口調教師の顔は悔しさで紅潮していた。
「熱いわ。ウチは鼻、頭、首差…そんなんばっかや!」
と僅か首差で取り逃した栄冠を惜しんだ。



2002年 6月 23日
天気 − 晴れ
馬場 − 良

阪神 11 R
宝塚記念
G1(定量)

芝 右 2200 M   12 頭立

馬    名 性年 斤量 馬体 全格 出走 芝格 出走 休み 連闘 中央 クラ 別定 特別 馬場 頭数 古混 牡混 他条 タイム 人気 オッズ  
1 3 ダンツフレーム 
藤田伸二
4 58.0 492
+2
G3 A 13 G3 A 11
2.12.9 1 2.4  
2 9 ツルマルボーイ 
河内洋
4 58.0 454
+6
G3 A 17 G3 A 17
2.12.9 4 9.3  
3 1 ローエングリン 
横山典弘
3 53.0 470
0
1600 A 7 1600 A 6
2.13.1 3 8.9  
4 4 エアシャカール 
デザーモ
5 58.0 514
-2
G2 A 16 G2 A 15
2.13.2 2 2.9  
5 5 マチカネキンノホシ 
岡部幸雄
6 58.0 536
-6
G3 C 23 G3 C 22
×
×
×
×
×
×
×
×
2.13.2 5 12.8  
6 11 アクティブバイオ 
後藤浩輝
5 58.0 488
+4
G3 A 24 G3 A 24
2.13.3 8 28.6  
7 2 テンザンセイザ 
四位洋文
4 58.0 482
+2
G3 A 14 G3 A 12
×
×
×
2.13.4 7 24.9  
8 7 トウカイオーザ 
池添謙一
5 58.0 478
+6
G3 C 18 G3 C 18
×
×
2.13.4 6 22.8  
9 8 ホットシークレット 
柴田善臣
6 58.0 450
-2
G2 B 29 G2 B 28
×
×
×
×
×
×
×
×
2.13.7 10 30.3  
10 12 トウカイポイント 
小林淳一
6 58.0 452
-4
G3 B 26 G3 B 26
×
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2.14.1 11 79.8  
11 10 ミツアキサイレンス 
川原正一
5 58.0 502
+4
OP A 28 B 5
×
×
×
×
×
×
×
×
2.14.1 12 85.8  
12 6 フサイチランハート 
江田照男
5 58.0 490
+2
G3 B 13 G3 B 13
×
×
×
×
×
×
×
×
2.14.2 9 28.9  

 

単勝 3 240 円 1 人気
複勝 3 130 円 1 人気
9 240 円 3 人気
1 290 円 4 人気
枠連 3 - 7 1070 円 2 人気
馬連 3 - 9 1060 円 2 人気
ワイド 3 - 9 440 円 2 人気
1 - 3 510 円 3 人気
1 - 9 1100 円 15 人気